【国語の成績を上げる真の方法】特に中学受験には要注意

国語の文章読解問題をやれば国語の成績が上がるのか。

その答えは、前回の【過去問・予想問題の正しい活用法】で書いたの同じです。

「問題だけをやっても上がらない。」

これが答えです。

文章全体を隅々まで把握する精読ができなければ、インプットが足りないのと同じです。文章全体の内容を十分に把握できていない状態で問題をやるのは、基礎練習がままならないままスポーツの試合に臨むのと似ています。それでもある程度は点が取れたり勝ったりすることもあるでしょう。でもそれはたまたまです。サークルならよいですが、本気のクラブチームならそれを許さないはずです。中でも確実に勝ちにいこうとする選手は、何年もかけて基礎練習を厭うどころか率先してやるでしょう。

スポーツの例ならわかりやすいですが、こと国語をはじめとした勉強となると、はやる気持ちを抑えられなくなりやすいものですね。

「勉強と真摯に対峙する」

この気持ちを三者で共有し実行し続けた結果、ようやく安定した「成績」となって溢れ出てきます。

国語でいうなら「文章を穴が空くほど読む」のが基礎練習です。わからない語句や漢字、文章が書かれた時代・背景、(物語なら)主人公の置かれた状況、心情の移り変わりを丹念に読み取る練習が必要です。正しく内容を読み取れていれば、問題に答えることはそう難しくはありません。

問題をやるなら、十分に精読したあと、設問(問い)を読む。そしてすぐに本文に戻らず一旦止まって答えの見当をつける。本文を正しく精読したあとであれば、「この設問にはこんなことを答えればいい」と浮かびます。そのあと該当する本文部分に戻って「そうこれこれ」と確認をします。選択肢問題だろうと抜き出し問題だろうと記述だろうと同じです。

ですからまず最初に注力すべきは、文章全体を隅々まで精読することにあります。これができないと問題をいくらやっても空回りすることになります。

多くの大手進学塾は「内容まで入り込まない。技術で解く。」と言っていますが(とくに中学受験塾)、これで対応できるのはかなり低いレベルまでです。上にはいけません。国語で伸び悩んでいる子の多くは「技術で問題を解く」に縛られているのです。

精読が大事なのはわかった。でも…

「模試で精読していたら時間が足りなくなるじゃないか。」

英語でも言えることですが、精読ができない状態で速度をしてもすごい速さで間違えるだけです。精読を積み重ねてくうちにだんだんと読むのにも慣れてきます。スピードも上がってきます。それを何年もかけて練習するのです。

模試の対策としては、大問の文章二つのうち、最初はどちらか一つの大問だけを正確に読めるのを目標にしましょう。

目先の偏差値にこだわればこだわるほど合格は遠のきます。「着実に足元を固める。自分の子の成長度合いだけを見る。今回目標としたこと以外は目をつむる。」これには忍耐力が必要ですが、相手は子どもです。大人の側が我慢するしかありません。(ツラっ) はい辛いです。言い換えればそれが中学受験です。

親にそれができないならば、子どもの成長を待ち高校受験に切り替えることです。高校受験も親の忍耐力は必要ですが、中学受験ほどではないでしょう。いくら伴走しようとしても子どもから離れていきますから。もっと成長を待つなら大学受験です。ここまできたらもう本人任せです。親の忍耐のキャパシティによりどの時点で受験するかを決めるのも一案です。「子どもの成長速度に合わせた受験を」とよく聞きますが、「親の忍耐力に合わせて受験を」とも言えます。

何より進学塾の技術で(内容がわかっていなくても)答えだけを出させる指導から解き放つのは容易ではありません。子どもですから「答えが出ればオッケー」のほうに流れやすいものです。算数でもすぐに型にはめようとする、国語でもテクニック大好きです。

そこが中学受験の落とし穴です。当塾では中学受験をする子どもが、その落とし穴を回避する方法を採っています。遠回りに見えるようですが、文章全体を精読する方針は変わりません。真に国語の力を伸ばすにはこれがどれだけ大切で効果があるか、これをご理解いただくのが当塾の役目と考えています。

このブログにより、国語(及び勉強全般)に悩むご家庭と相思相愛になれることを祈ります。

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