【漢字・熟語の身につけかた】中学受験

算数や国語の読解問題に取り組んでいたとします。

難しいなあ、読むのが面倒くさいなあ…と思っている様子は見ていればわかります。そのときによく出るセリフがこれです。

「漢字がやりたい。」

漢字もやりますが、算数を先に進めたい時には算数を多めにしています。学校ではあっという間に進んでしまうので少しでも先に進んでおきたいからです。このような時に出る「漢字がやりたい。」は、本当に漢字がやりたいわけではなく、今取り組んでいる教科から逃げたいのだろうと予想できます。

明らかに算数から逃げたいのがわかる時は漢字リクエストをスルーします。あるいは「今のが終わったら漢字をやってもいいよ。」とご褒美にするときもあります。

こうして良くも悪くも二学期も終わりに近づく頃には、違う種類の漢字テキストを数種類やることになります。実際、書けるようになってきたと感じます。漢字が嫌いだった子でも「ご褒美」として与えると嬉しそうな顔になり丁寧に書いてきます。

漢字はさまざまな熟語として出会うことで身につけていくようにしています。漢字一字だけをお経のように書いても手の運動にしかなりません。複数の漢字テキストを用いて短い文の中で様々な熟語に出合わせます。文中でどのように使われるのかを知らなければ熟語だけ書けても意味はありません。部分的にでも絵がついていると場面が想像できるので重宝します。

五年生では「管制」「航空」という熟語が同ページに絵付きで載っているテキストも使っていますが、この二つは難しいようです。具体物である「飛行機」は知っていても「航空」となると難度が増します。子どもに「航空」と「空港」との違いを理解させるのも難しいものです。

このように「たかが漢字、されど漢字」なのです。

「漢字が苦手です。」

よくうかがうお悩みです。即効性のある方法はありませんので以下のように地道に続けましょう。

①さまざまな漢字・熟語テキストを毎日少しずつやり続ける

②読書の中で自然に覚えていく←これが一番効く!

③読解テキストの文章の中から覚えていく

これらを並行し継続するしか「漢字(熟語)が得意」になる方法はありません。

このように漢字(熟語)を得意にするのはとても大変です。中学受験・高校受験・大学受験、すべてにおいて漢字(熟語)はネックになります。ことばの数を増やす意味でも、漢字(熟語)とそれが使われる場面を丁寧に学習する必要があります。

「そうは言ってもね、なんかないの?」

・『中学受験漢字暗記帳』アーバン出版 4回サイクル式で最後に苦手をピックアップしておくページもあります。

・『漢字の要』サピックス さすがによくまとまっています。

いずれも実子の中学受験の際に実際に使用したものです。

何を使うにしても「漢字を覚えなさい。」では気が滅入るでしょうから④を追加してみます。

④漢字や熟語から理科や社会につなげて話してやる

すると案外興味を持ってくれます。漢字・熟語、理科、社会の入り交じったメンタルマップのようなノートを一緒に作っていき、模試・入試の前に見直すのはおすすめです。実力がつきます。理科・社会の好きな親御さんがついていないと難しいのですが、、単なる漢字100問テストよりもよっぽど身につくと思います。

まずはできることから始めましょう。①〜④のような方法を日常的に取り入れながら、ねりものを練るつもりで取り組み、最後は『漢字の要』で仕上げてみてはどうでしょうか。


入試前ではないかたへ

急いでマスだけを埋めたり問題だけ解いたりするのではなく、各ページを隅々まで見るように。腰をすえて勉強に取り組めるように。この姿勢を身につけるには急かしてはいけません。もちろん程度によりますがたくさんやればよいわけではありません。親から見ると「たったこれだけ⁈」に見えるかもしれませんがそういうものです。急がせたり量を増やすから「テキトー」になるのです。じっくり取り組む勉強と入試前に時間を気にする対策とは別物です。今お子さんがどの段階かを冷静に見極め、模試の結果は「今後の課題」として活用するものだと認識してください。じっくりやるほど合格に近づきます。