【令和6年度(2024年)愛知県公立高校入試解説】国語

【入試問題全体の解説】

構成は以下のように従来通りだが、大設問一と大設問三がやや長めになった。全体的には難化した。平均点は13点以下になると思われる。

一 論説

二 漢字と語句

三 小説

四 漢文(書き下し文)

⚫︎大設問一

若林幹夫『社会学入門一歩前』

(一)解きやすい指示語の問題。

(二)二箇所の空欄補充の問題。文脈を把握する力と語彙力の差が表れる問題だった。「究極の」と「さしあたりの」を文脈から自然に選べるかどうかは日頃の読書量も影響する。

(三)標準的な問題

(四)標準的な問題

(五)意見交換の会話文を正しく並べ替える今までにない形の問題だった。難易度が高くここで時間を取られただろう。点数配分的にも差がつく問題である。

(六)「論の進め方の特徴」を聞くという多くの受験生が苦手とする問題だった。

⚫︎大設問二

(一)語彙力を問う問題

(二)同じ漢字の二つの意味を区別する問題

(三)一般的な四字熟語

⚫︎大設問三

辻村深月『この夏の星を見る』

(一)心情を問う問題。五つの選択肢から三つを選ぶ。時間を費やす上に、三つで完答一点では得点しづらいだろう。

(二)標準的な問題

(三)選択肢自体は易しいが、小説を苦手とする受験生には難しいかもしれない。

(四)「書かれていないことを含むものを二つ」選ぶためには、文章を読み込まなければならない。大変だったはずである。しかも二つできて一点。

(五)大設問一(六)と並んで、多くの受験生が苦手とする「表現の特徴」を問う問題。

⚫︎大設問四

漢文『貞観政要(じょうがんせいよう)』

(一)素直に文章と傍線部を読めば正解できる。

(二)「禍福」などの意味がわからない受験生には難しかったかもしれないが、選択肢を冷静に見れば正解できる。

(三)文章前半の喩えの意味がわかっているかが正解への鍵となる。

(四)内容一致の問題。文章の後ろから三行を読めば見当がつく。

旭丘高校・明和高校志願者の合否ポイントとなる問題】

大設問一(五)(六)

大設問三(四)(五)

大設問四(三)

【今年の国語の出題に関する所感】

鍵となる文章は、大設問一の論説文、若林幹夫『社会学入門一歩前』である。

現代社会が追い求めてきた「効率的」「合理的」であることについて考察した文章であった。「科学とは何だろう」という問いかけから始まり、知的素養を身につける上での大前提を示している。この文章が次にどう続くかそして結論まで予想できる人と、難解そうな熟語の連続に気押される人とに分かれる文章となっただろう。

第七段落の「わからなさを甘受する」が意味する科学の奥深さを念頭におきながら、今後も「コスパ」や「タイパ」などの言葉に惑わされず、勉学に励んでほしい、そんなメッセージを出題者から受け取ることができた。大学進学を前提にするための基礎的な考え方であるこの文章を選択された出題者に敬意を表したい。