【生き残るために勉強する時代】

↑「現実の言語能力と読解力は別」(『国語の本質を識る』塾向け講座 前島良雄先生)

「最近、算数でつまずいているようだ。よくわかっていないようだ。だから算数を教えよう、又は習いに行こう。」もっともです。

ただ算数だけでなく勉強が思うようにはかどらない大きな理由の一つは、読む力が足りないところにあります。

読む力が不足していると、ある算数の問題を教えてもまた次の問題で教えなければなりません。この負のスパイラルを断ち切るためには、読解力と読み切る力の養成が必要になります。

実際に算数の文章題がわからない場合、こちらが声に出してゆっくり問題を読んでやります。すると内容を理解しすっと立式できることも多々あります。

「読んでもらえばできる」段階から、「自分で読んでできる」となるまでの道のりに、短期的な療法はありません。この道のりを継続的にサポートするのが「ことばの学校」であり、塾であり、またご家庭のご協力です。

大切なことは体と精神の成長を待つことです。早熟な子もいますし、マイペースな子もいます。小学生の成長速度には差があって当然です。ただ「待つ」のは辛いものです。だから塾を頼りながらも、あの手この手でみなさん工夫されるわけですね。

「学校の進度に合わせたい、もしくは先取りを」と願うのは自然です。しかし急かしてやらせようとしても、子ども自身に読む力と読み切る力が備わっていなければ、先取りはもちろん、学校の進度に合わせるのは思うより難しいものです。

学校のカリキュラムは一律にならざるを得ません。しかも教育指導要領改訂のたびに履修内容はどんどん前倒しになっています。難なくついていけるのは2割でしょうか。実際に一単元に充てられた授業時間表を見ると非常に密であることがわかります。

先取り、および学校についていけるためにするのが塾だと思われるでしょうが、お子さんの個性に応じて対応するのが当塾です。ですから学校の成績に反映するまでにタイムラグが生じることもあります。1学年・2学年先まで先取りできる子もいれば、タイムラグが発生する子もいます。

なんとかしたいのであれば、子どもと一緒に勉強するのが一番です。上から教えたり叱ったりするとうまくいきません。

本気で伸びる子に育てたいご家庭は、一貫して家庭学習に協力的です。「お願い」だけではなく、「家庭でもできることはないか」と尋ねられます。そのような理解あるご家庭には惜しみなく協力いたします。

というのも最近、「わが子の勉強に熱心なようで実はそうでもない親が増えている」と耳にするからです。

お心あたりはありませんか。お子さんと向き合う前にご自身と向き合ってみると意外とハッとしませんか。

不愉快なことを申しましたが、これは2人の子どもを育てたあとの自省も含まれています。我が子の「今」しか見えていない時期はたしかにありました。だからこそ現在進行形のご家庭に、一息ついて振り返っていただきたいと思います。

現代社会は発展してきたようでいて、SNSの発達は意思疎通とは逆の方向に向かう危険性をはらんでいます。よほど勇気がなければものが言いにくい時代になりました。

塾でいうなら、言葉を選んでの顧客ファースト発言しかできなくなりつつあります。しかしお子様の本当の幸せを願うなら、「まずはご自身から」と申し上げずにはいられません。

今よくリアルやSNSで耳にするセリフ。

「〇〇してくれない。」

これを口癖にしないようにしたいですね。完全に口を開けて待っているだけの状態です。これでは今のご時世、生きていけません。国に任せておけばそれなりの生活が送れる時代は終わりました。

今後の小中高校生には、「生き残るために勉強せよ」が最も現実的な意欲喚起になるでしょう。

歴史的に見れば、戦後復興期の昭和・平成時代が、奇跡的に平和な時代だったといえます。その時代しか生きてこなかったわたしたち親世代は、恵まれた世代だったわけですね。(前島先生口調が入ってます)

今後、子どもたちには厳しい時代が待っています。自分で将来を切り拓く力が必要です。

我々がそれぞれにできることをやりながら、三位一体となりお子様を伸ばしていきましょう。

お子様の長所をまずは10個、気付くたびにどんな小さなことでも書き出してみてください。冷蔵庫などに貼ってすぐに書き込めるようにし、ご家族で共有し50個になるまでやってみましょう。

劇的にお子さんの目が変わりますよ。承認欲求を満たしてやってください。叱ってしまったら、あとから長所を一つ追加してください。お互いに書きこんでもいいですね。親だけが評価するというのもおかしな話です。

承認欲求を満たし、安定した気持ちの中で勉強できる環境をつくる。これが伸びる子に育つ第一条件です。

どうぞご賛同、ご協力をよろしくお願いいたします。