【小学校でローマ字学習は必要?】あくまでも訓令式(日本式)で習うべき

なぜ小学校で訓令式ローマ字(日本式)を学習するのでしょうか。

それはあくまでも、日本語発音体系を児童に自覚させるためです。

日本語の音は母音と子音でできていますが、ひらがなではそれを十分に表せません。

そこでひらがなでは表せない各行(カ行、サ行、タ行…)の同一性を教えるために、訓令式ローマ字(日本式)が必要になります。

ka ki ku ke ko

sa si su se so

ta ti tu te to

このローマ字表は、日本語の音韻体系を知るために習うんですね。

行と段の関係がよくわかります。カ行はkがつくし、サ行はsがつく。各行の同一性を説明しやすくなります。

訓令式ローマ字を習う理由を知った上でローマ字を勉強すれば、ローマ字をすんなりと受け入れやすくなるでしょう。

中学に上がったときにも「動詞の活用」で苦労することはありません。

訓令式ローマ字は、日本語発音体系を自覚するためにあります。ヘボン式では説明できません。

ヘボン式は英語の準備段階で習いますが、これはあくまでも英米圏で読みやすくするためです。(ヘボン式は世界標準ではありません。フランスならHISAはイサ、ドイツならヒザと発音されます。)

ヘボン式を中1初めにやるため、英単語との綴りが混乱する生徒もいます。ヘボン式で書くと英米圏で相手に読んでもらいやすいから、というくらいの理由です。英語を勉強していくうちに、ヘボン式との混乱は次第に消えていきますので、心配しすぎることはありません。中1二学期には解消していきます。

つまり、小学校でやる訓令式と、中1英語準備として習うヘボン式とは目的が違います。(ヘボン式も知っておく必要はありますが、その表記が絶対ではありません。)

訓令式については、それを学ぶ必要性がしっかりありますから、小学生の間または中1の間に復習しておきましょう。国文法で必要です。

毎回言っておりますが、国文法ができないと英語も理解しにくくなります。英語がわからないのではなく、日本語がわからない場合が多々ありますが、一見、「英語が苦手」に見えます。2年不定詞あたりからその傾向が露わになります。3年で決定的になります。純粋な国文法問題が入試で出題されることは近年減りましたが、他教科の根っこに大きく影響を与えています。

下はそれを詳しく解説される前島先生の授業です。