【割合・速さ】「1あたり」がわかれば公式不要。「考える」過程を飛ばす指導がもたらす弊害について。
あかつき塾では補助教材として、「〇〇はかせ」という教材を使用することがあります。根本的な理解を促し、かつ問題配列が適切。どれも秀逸な教材です。
今後はSKPも導入し、同様に「考える」ことにこだわる指導方針でいくつもりです。
昨年までは、【割合】【単位量あたり】が5年生最大の山場、かつその後の算数・数学の理解に影響を及ぼす単元でした。
そして今年から5年生には、昨年まで6年生の単元であった【速さ】も加わっています。
しかしどれも根は一つ。
1あたりがわかっているかどうか。3年生のわり算の意味をわかっているかどうか。
ご家庭でもし尋ねられたら、
「わり算はかけ算の逆だよ。」
ではなく、
「一つ分を求めるのがわり算だよ。」
と教えてやってください。
【くもわ 】とか 【 きはじ 】とかいう公式は、本来必要ありません。
逆に公式に当てはめると、「考える」という過程を飛ばすことになり、近道のようでいて実は理解を遠ざけてしまいます。
手っ取り早く使えるものは、その場でしか使えません。
「考える」という遠回りをしてこそ、実は近道なのです。
1あたりさえ理解してしまえば、割合も速さも、比も分数のわり算もみんな同じです。
これらの公式を一切使わず、図を書きながら設問を頭に入れ、1あたりを求めながら解くこと。これに尽きます。
以下引用 つむぎ出版
【社長ブログ】「%」が分からない大学生
最近私は表題の本を読みました。
著者は芳沢光雄氏で、出版社は光文社です。
芳沢氏によると、現在の日本の大学生に「2億円は50億円の何%か」という質問をすると、「50÷2=25だから25%です」と答える人が2割前後いるそうです。
また、中3生を対象とした全国学力テストの結果では、食塩水の濃度の問題について、2012年の中3生の方が、1983年の頃の中3生より正解率が20%も下がっているそうです。
このような現象の背景に何があるのでしょうか。
詳しくは本書の内容に譲りますが、一番大きな問題は、学生たちが「やり方や解き方だけ覚えようとして、『なぜそうなるか』とか『深く考えること』をしなくなったこと」にあるようです。
確かに、教材展示会で塾の先生方とお話をしていると、「最近の生徒たちは、考えることを放棄して『わからん』を連発し、すぐに答えを聞こうとする傾向が強い」などと答える方が多くおられます。
また、保護者にも、ちょっと考えれば分かることでもすぐに聞いてきたり、感情的になったりする人が多いようです。
また、塾を選ぶこと一つについても、よく調べたり考えたりすることなく、一部の情報だけを鵜呑みにして決めてしまう人もいるようです。
ではなぜ、このような数学の力や考える力が衰えてきてしまったのでしょうか。
ある塾の先生は「ゆとり教育などによって、親の学力や考える力が衰え、それが今の子どもに影響を及ぼしているのではないか」とおっしゃっていました。
生徒たちと接するときは、すぐ答を教えず、じっくり考えさせる習慣をつけることも大切なようです。