【作文力とは?小論文にもつながる素地をつくるには?】
最近は作文講座ブームです。書店にも低学年向きの作文ワークが並んでいます。教育指導要領が改訂されるたびに学習参考書コーナーのラインナップはがらりと変わります。もちろん売れるからです。
「作文が苦手」「書けない」というお声が多いため当塾でも塾用から市販まで使用しています。最近市販の小学生向きで気に入っているのはこれらです。
「〇〇についてどう思いましたか。」→「べつに。」「ふつう。」「すごい。」「なにも。」という答えをする子には「こんな表現があるよ。」と表情や動作をつけて教えると面白がってくれます。
子どもはあまのじゃくなので、「だったら『べつに何も思いませんでした。』と書けばいいじゃん。もうそれでいいわ。」と言うと「嫌だ。」と言うので面白いですね。
小学校のうちは身近な体験からわきおこる気持ちを素直に表現できるかが学校での評価対象になります。作文はある出来事から自分の心境や感想を述べた文章のことです。文章の流れ、感性の豊かさ、表現のうまさなどにポイントが置かれます。
しかし大学入試は違います。小論文です。問われていることに対して意見を述べ、理由(論拠)を筋道立てて説明し、相手を説得しなければなりません。論理性や説得力の高さにポイントを置き何を書きどこを着地点とするかを明確にするのが小論文です。「形」は当然ながら「内容」が問われます。
今は小学生でもいずれ必要になる小論文の下地としては、次の二点が挙げられます。
①様々な素養を身につける
②常識とされていることに疑問をもつ
これらを日頃から気にしていると目をつけるべき勘どころが涵養されていき、いざ小論文を書く際、特に困りません。それだけの文章を読んできたわけですから文章慣れしています。つまり特別な小論文講座は必要なくなります。もし小論文講座を受けたとしても数回でコツをつかめるでしょう。もともと持っているものを型にはめて形にするのは簡単です。その逆はかなり無理があり安っぽいものとなりがちです。採点者からしっかり見抜かれてしまいます。
では小学生時代をどう過ごせばすればよいでしょうか。
①実物に触れて関心の幅を広げる
②読書を習慣にする
③親以外の(勉強している)大人から話を聞く
④疑問に思ったことを調べてみる
「書き方」の前に①〜④のような書くための材料を普段からそろえておくと書きやすくなります。
作文は事実でなくてもよい、虚構でもよいのです。お話を作ってしまえばよいのです。毎日の生活にそんなに変化はありませんから日常的な体験だけから作文を書くには限界があります。
作文力とは「事実に虚構を織り交ぜ、読む人を共感させる力」とも言えます。現に小説というのは虚構の世界を描いたものです。小説が好きな人はそれが虚構のお話だとわかっていながら喜んで読みますよね。
「作文力」とは「事実と虚構を織り交ぜた高度な共感的文章作成能力」である。
作文に対して私は多少シニカルにこう思っています。読書感想文も同じです。論文ではないのですから、読む人に自分の気持ちが伝わればよいのです。たとえそれがオーバーなものになったとしても。読んで字の如く「文を作る」。文をつなげて「文章を作る」。それが作文です。当塾では少しずつ慣れていくようヒントを小出しにしながらリードします。
「なぜ今の職業を選んだのか。その魅力は?」周りの大人に質問してレポートを書く課題が出たことがあります。今までに何人かに質問されました。語りますのでお困りの時はどうぞ。