【理科ができる子に育てる方法】思考力を育むには
毎年のことですが、中3になると理科の相談が増えます。前回は理科の「成績」の上げ方について書きましたが、今回はもっと根本的な「思考力」について理科を例に挙げて考えてみます。
「理科で点数が取れない」理由は、「理科が苦手だから」ではありません。
理科で点数を取るためには以下のように様々な力が必要です。
①長い問題文を読んで書いてある内容を理解する基礎的な読解力
②情報を整理しながら読む力
③必要な情報を選択する力
④比や単位量あたりなど基本的な算数の力(主に化学分野)
⑤差集め算の考え方(地震)
⑥速さの概念(力学分野)
⑦空間の中に自分を置いて場面をイメージする力(天気のかわりかた・天体)
⑧具体的な日常的事象を関連づけ一般化して捉える力(露点、雲のできかた)
⑧幼少期のブランコ・シーソー・ボールなどの体を使った遊びの体験量(力学分野)
ざっと思いついただけでも、これだけあります。思考力はこれらの全てがそろわなければ伸びません。「思考力を伸ばすにはどうしたらよいですか。」の質問には、読書、読み書き、計算、勉強以外の外遊び、リアルな体験、知識ある大人との論理的会話、が必要です。思考力というのは総合力であり、それだけを狙って育めるものではありません。
身近な理科的現象に興味を持たせるためには家庭のご協力が必要です。「不思議だね。なんでかな。」という会話が不可欠です。
目下、受験生には高校入試テストゼミで「この図、出るよ。」と説明していますが、あくまでも紙面上でのことであり、短期的目標を達成するためにすぎません。
それまではテストに出る出ないに関わらず、満遍なく勉強しましょう。体系化された知識を身につけることは、思考をする際の手助けとなります。
断片的知識ではなく、各教科を初めから丁寧に勉強していきましょう。その中で思考力も総合的に磨かれていきます。
何か困っている場合はご相談ください。なんらかのアドバイスはできると思います。私がわからないことについては周りの詳しいかたに尋ねてきます。
では今日もお待ちしております。