【若い世代に伝えたい本】塾長読書記録①
FB友達から不意に回ってきた【本の紹介バトンリレー】
せっかくFBに投稿したので、ブログでもご紹介します。塾とは直接関係ないものですが、生徒・保護者の皆さまに私という人間を知っていただく一助になればと思います。お暇な時間におつきあい願います。
(以下、FB投稿内容)
「自分の好きな本を紹介する」という 【本のバトンリレー7日間】のバトンが回ってきました。できる範囲で挑戦してみます。
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【本のバトンリレー チャレンジ内容】
・自分の好きな本の表紙(本の解説やレビューなし)を7日間投稿する。
・毎日FB友だちの誰かにバトンを回す。
バトンが回ってきたかたが、やるかやらないかはもちろん自由。7日間でなくてもよい。スルーもあり。
・楽しみながらできる範囲で。
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京都でのある会。偶然初めて同テーブルについた心理学講師 島 幸樹 (Sachiki Shima)先生から、驚きながらもバトンを受け取りました。覚えていてくださり光栄です。「国語の先生が読んできた本」という点に期待が寄せられたようですが、私は文学部のイメージからくる「メガネ、三つ編みの文学少女」というわけではありません。実は「既存の社会構造を斬る」という視点の本を好んで読んできました。そのためには哲学であったり文学であったり、「古きよきもの」を知らなくてはなりません。「知」という崇高な営みが許されるのは、人間であることの特権です。人間に生まれつき、環境にある程度恵まれて育つことができたなら、日常を無為に繰り返すことを恐れ、新たな自分を発見し、磨き、最終的には(僭越ながら)他の人の役に立つ仕事をすることが使命なのではないかと思うのです。
7日連続も難しいのですが、7冊にしぼるほうがさらに難しいものですね。さらに真剣に書いてしまうと夢中になってしまい、それこそ丸一日かかってしまうので、あえて軽めにいきます。と、ここまでで既に長し。
前置きはここまでにして、第一日目はなんといってもこれ。
●「第二の性」ボーヴォ・ワール
あまりにも有名すぎる「人は女に生まれない。女になるのだ」
これを読んだ大学一年生のとき、それまで抱えてきた疑問が一気に解決しました。
学校では教えてくれなかった、なぜ名簿順は男性が先なのか?なぜ「主人」と「家内・奥さん」なのか?なぜ「男は度胸、女は愛嬌なのか?」
小5の男性担任がテストの採点をしながら悪気なく言ってくれた「女の子は一問くらい間違えたほうがかわいいよ」という謎の励まし。
大学一年のとき、自室にこの本を置いておいたら父が非常に驚き、母にさも大ごとのように報告に。なにせ大事な一人娘が、当時は「卑猥で忌むべき対象」であるはずの「性」に関する本を読んでいると勘違いしたのだから。
「いやいや違うよお父さん」と意味を説明するもどこまでわかってくれたのか。
小5の頃には既にはっきりと感じていた男女の扱いに対する違和感が大学一年生の時に払拭される。「男性像・女性像というのは教育により作られるものなのだ」と示してくれた。
だからこそ逆に、「教育により変えられるものだ」との確信も与えてくれた一冊。
「対等に」を求めた学生時代。諦めかけてた20代。「差違」があることに気づき、受け入れた30代。何もかも「同じ」でなくてもいい。ライフスタイル上、ステージが違う期間もあるのだから。(緒方貞子さんより)
それを受け入れながら肩肘張ることなく、しなやかに生きていこうと悟った40代。
そして今、幸いにも小・中学生と日々接する仕事についている。塾ではあるが、教育という側面からも子どもの成長の真っ只中に関われる仕事。この子たちに未来を託すのだから、様々なものの見方があることを知らせたい。そのためには勉強が必要なのだ、正しく理解、発信する力が必要なのだ。他人と闘うための武器ではなく、世界を平和に導くために。一時の感情に流されず、閉鎖された狭い社会から脱却する武器を身につけてほしい。
高校の履修科目や大学入試改革に代表されるように、近年の文学・古典・歴史の軽視は、国を滅ぼすものだとの懸念が拭えない今日この頃。