【愛知県公立高校一般入試 社会講評 2026】

目次
総論
2026年度の社会の問題は、昨年度と比べてやや易化した。易化の要因は3つ挙げられる。
- ① 資料を読み取るだけの問題(知識不要)の増加
- ② 資料問題の易化
- ③ 選択肢の易化
例年通り、歴史・地理・公民の3分野から、表やグラフ・地図などのさまざまな資料を考察し判断する問題が多く出題された。
2026年度は資料の読み取り問題が増えたが、その資料の読み取り問題や資料を考察し判断する問題が平易で取り組みやすかった。
加えて、明らかに誤りとわかる語句を含む選択肢が多く、容易に判断できる問題が増え、煩雑な資料問題や、高い思考力や考察力を求める問題が少なかった。
出題形式
21問中11問が完答問題で、完答問題の割合は昨年度と並んで過去最高である。
完答問題の内訳
- 3つを解答させる問題が1問
- 4つの正誤を解答させる問題が1問
歴史分野
● 大問1「交易」
例年通り図版を中心とした資料からの出題であった。古代は他の都道府県では出題の頻度が低いが、愛知県ではよく出題される。
- (1)金印が奴国王に渡された頃(1世紀)のヨーロッパの様子が問われたが、やや難しかった。
● 大問2
受験生にとって見慣れない資料からの出題が多く、得点差がつきやすいポイントとなっている。2026年度は4問中2問が資料の読み取り問題であった。
- (1)元号に関する4つの正誤を判断する問題。資料をひとつひとつ確認していけば容易に判断できた。
- (4)呼称の由来に関して、選択肢の文を読み取り、叔父なのか祖父なのかを判断するなど、国語的な能力が必要な問題であった。
- (3)大正から平成までの5つのできごとを古い順に並べ、2番目と5番目を答える問題。そのうえ、選択肢も難しかった。
大問2では、例年生徒が予想したことがらに対する検証の文章を、複数の資料を参考にして読みとる問題が出題されることが多く、この大問2が得点差を生む要因となりやすい。
地理分野
- 日本地理分野から3問
- 世界地理分野から4問
世界地理の方で2点問題があり、配点は8点。地理分野の配点が高かった。
2026年度は、日本地理が例年になく易しかった。
世界地理の大問4(2)はベンゲルという学習したことのない都市が出題されたが、地図から位置を確認すれば西岸海洋性気候と判断できるため、正解にたどり着きやすい問題であった。
しかしながら資料をみると、降水量の月ごとの変化がロンドンとは少し違うので、西岸海洋性気候と確信を持てなかった受験生も少なくなかったのではないかと考えられる。配点も2点だったこともあり、この問題がポイントとなった。
公民分野
昨年度と同様の構成で出題された。
- 大問5:経済分野
- 大問6:政治分野
国際社会からの出題は見られなかった。
経済分野では、税の種類を資料から判断させた上で、直接税の割合を比べる問題が出題された。
政治分野では、防災がテーマで、自助・共助・公助から2問出題された。政治の知識がなくても常識的に解ける問題が多く、受験生の努力を考えると、複雑な気持ちになる内容だった。
来年度以降の受験生へ
愛知県入試は、今年易しいとその翌年は難しくなる傾向がある。
難化を想定し、正確な知識の習得と資料を正確に読み取り考察する力を高めてほしい。
また、時事的な内容を含んだ問題(2026年は昭和100周年、米の買い占め、税や労働・賃金、防災など)が多数出題されているため、日頃から世の中の動きに注目しておこう。
入試が1回のみになったことで出題傾向の予想がしやすくなったため、ここ数年出題されていない単元は要注意である。
- 歴史分野:奈良・室町・江戸・昭和時代
- 日本地理:関東地方
- 世界地理:アメリカ、アフリカ、オセアニア
- テーマ:工業や環境問題、地形図や地図の読み取り
- 公民分野:国会・内閣、社会保障、企業、現代社会

