【効率的な学習とは何か】暗記やパターン練習に偏る前に
先日大学受験生をもつファミリーがTSUTAYAに赤本を買いに来ていました。そこでお母さんが「英語はとにかく暗記だから!」と言うのを耳にし、びっくりして思わず振り向いてしまいました。例文や本文を暗唱できるまでやるのは賛成ですが、「とにかく暗記」ではありません。会話文ならともかく、大学入試問題やその先を考えると、文構造をとらえながらじっくりと読む力が求められます。
「暗記」はいろいろな場面で使われます。「社会や理科は暗記だから!」は何度耳にしたことでしょう。理科・社会の用語というのは「教科書や参考書の流れを綿密に追っていく中で自然に身についていくもの」だとわたしは思っています。一定ラインまでは丸暗記でもいけるかもしれませんが、つながりを意識しない暗記ではその先にはいけません。
教科書やテキストは丸暗記のために開くのではなく、理解するため、つながりを把握するために開いてください。それが問題形式にかかわらず解答できるようになる道です。特に今はグラフや資料を組み合わせた問題が増えています。「見たことがない問題だから解けない」とならないようにするためにも「つながりを意識した暗記」そのための「精読」を心がけてほしいと思います。
英単語、熟語も同じです。一つの単語にはさまざまな意味があります。一対一対応で暗記していたらキリがありません。効率的な学習とは「応用の効く学び方」のことを指します。「短い時間で楽に」ではありません。それでもし瞬間的にできるようになったとしても応用が効かないのはもちろん、すぐに忘れてしまいます。そしてまた即物的なものを求めるスパイラルに陥るのは目に見えています。
「前はできたけどテストのときやりかたを忘れてしまいました。」は「やりかた」を覚えていただけであって、理解していたのとは程遠いといえます。当塾では「やりかた」ということばの使用をなるべく避けるようにしています。「やり方・解き方を教えます!」は魅力的なだけに気をつけてほしいと思います。
効率的な学習とは何を指すかを考えたとき、この参考書はおすすめできます。前から教室にありましたが今は新装版が出ています。ぜひ一度書店で手に取ってみてください。