「教わる力」をアップデートしよう!
昔から参考書売り場が好きで、小学校五年生あたりから自分で参考書を探していました。
小学生だった私が知る大きな書店といえば、池下周辺の三省堂でした。
当時は昭和区吹上に住んでいたため、今池が近くその流れでたまたま知ったという程度です。
きっと親に大きな書店に連れていくよう頼んだのだと思います。変わった小学生だったかもしれません。
新学年になると特に、一年間で使う参考書を選ぶため、時間がかかりました。
①教科書準拠問題集
②通年参考書・問題集(①より詳しく、基本から応用程度)
③テスト対策問題集(薄いものを二種類)
だいたいこんな感じでしたね。子どもなりによく考えたと褒めてやりたい。
親は退屈そうに待っています。(変な親です。何かアドバイスはないのか?)
「たくさん買うねえ」(当時2万位)言うことはそれくらいです。
アドバイスしてくれる人がいないというのは、今思えばかなり不利でしたね。
しかしそれが当たり前だったので、自分の足で探し選択する力は身につきました。
情報がないので、書棚を端から順に全部見ていくしかありません。
①「違う」と一瞬で感じたものは戻す。
内容だけでなく、紙質、印刷に使われている色にも好き嫌いがあります。
やたらカラフルなものやテカテカした紙質のものは、無駄に疲れる。
配色が目に優しいもので、使っていてストレスに感じないもの。
②「気になる」ものは、取り出して平積み書の上にキープ。
③それの繰り返し。
④最後に「気になる」ものの中からさらに吟味、最終絞り込み。
⑤なぜか親の懐具合まで考慮し、これくらいなら即買いOKだろうというラインを勝手に割り出し、親をレジへ連れていく。
今は「中学生 参考書 おすすめ」と検索すれば、簡単に検索できます。
しかも「これを買った人は、こんな本も買っています」とご親切に向こうから情報がやってきます。
非常に便利ですが、自分に合っているか、自分が必要としているものか?は自分の目で確かめないとわかりませんよね。
与えられるのに慣れてしまうと考えなくなります。こわいこわい!
また、参考書も問題集も非常にわかりやすく、かゆいところに手が届くものが所狭しと並んでいます。
昔自分が数種の参考書から苦労して作り上げた「まとめ」が、既にプロの手によって完成された形で売っています。
「あー!ここが知りたかったんだよね!」というところも、向こうから「ここがわからないんでしょ?教えてあげるよ」といって並んでいます。
このようにこの20年くらいで、参考書をはじめとし、塾や映像授業など「教える力」というのは、各段に向上しました。
それに比べて「教わる力」はどうでしょうか?「教える」力が向上するほど、皮肉にも「教わる力」は退化してしまうと思いませんか?
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