進路への関わり方は「不親切グラフ」を意識する

引用:「演劇コミュニケーション学 」蓮行・平田オリザ

将来、何になりたいか?

どこに進学したいか?

と聞かれてはっきり答えられる中高生は、何割いるでしょう?

親はこどもの進路にどれくらい関わったら良いのでしょうか?

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ちょっと思い出話に入ります…

私自身の小学低学年時の夢は、学校の先生でした。担任の先生の真似をして、丸付けの練習までしていました。まだ世界が狭いですね。

四年生の文集には、「将来の夢は政治家」と書いてあります。街頭演説している絵まで書いてあります。日本🇯🇵のために役立ちたいと思っていたようです。なんて志高かったのでしょう⁈

六年生の卒業文集には、「世界不思議発見のリポーター」とか「アナウンサー」とか書いてあります。歴史が好きだったから、放送委員でちょっとばかり「声が通る」と言われたからだと思います。まだまだ夢があります。

しかし、中学生になると正直、夢がなくなりました。現実的になったということでしょうか? 点数を取ることが第一目標のようになっていました。

そして思う高校に入れました。ばかみたいに自由な毎日です。そこでいろいろ考える時間が持てました。さまざまな価値観に触れ、カルチャーショックを受けましたが、まだはっきりとした夢は持てませんでした。

大学受験学部もギリギリまで迷いました。何がやりたいのかなんて高3で決められませんでした。向いているかどうかなど想像でしかわかりません。

ただ周りが何となく県外狙いだったので、県外カッコいい!と憧れていました。

試しに恐る恐る親に言ってみました。

「一橋行きたい…」

一人っ子なので猛反対され、「明確な理由を持ってこい」と言われました。と言っても当時は大学パンフくらいしかないですよね? 「社会科学系が強い大学だから」「県外行きたいから」以上。

明確な理由が見つけられずあえなく却下。

今ならネットでいくらでも「〇〇学部の〇〇先生のゼミで〇〇な研究をしているから、そこでなければならない」と言えたのになぁ。

(今は パスナビ とGoogle検索すれば、全国大学情報が手に入ります。)

親に「法学部にしようかなあ」と言うと、「いいねぇー」と言われ、「経済学部かなあ」と言うと「経済のことお母さんたち全然わかんないから一人くらいわかる人がいてもいいねぇー」と適当な返事。

はたまた「教育学部かなあ」と言うと、「学校の先生いいねー」

「受験科目的に文学部かなあ」「それでもいいんじゃなぁい?」

うちの親、情報源としては、なんの役にも立ちませんでした😅!実は小学校の頃からずっとこんな感じでした。

ただ、幼児期の読み聞かせと低学年の間、毎日帰宅後30分、必ず勉強に付き合ってくれ、習慣化してくれました。

「大きくなったらお母さんたち教えられないから、あとは自分でできるように習慣だけつけといてやろう」と思っていたようです。

ただ、大きな夢を言うと「無理無理」と否定されるのが不思議でした。無理と言われ続けると、こどもって、「そうかわたしには無理なのか」刷り込まれるものです。「あなたには無理」は禁句だと思います。どうかお子さんには言わないでやってください。

………

….(思い出話終わり)

話を戻します。

親はこどもの進路にどれくらい関わったら良いのでしょうか? でしたね^^;

押し付けは嫌ですが、こどもの知り得る情報などたかが知れています。

こどもが必要としたときに、周りの大人が自分の価値観に偏らないフラットな立ち位置で、溢れる情報の中から、的確なアドバイスをいくつか提示してやる。

すると、こどもの選択肢は何倍にも広がります。

選択できるだけの学力をつけ、いざ選択する際には情報を提示してやる。これが親と塾の役割です。

しかし、先日の蓮行の「不親切グラフ」に沿って考えると、親切すぎてもいけません。

ただ、こどもが助けを求めた際には、惜しみなく提示してやる準備が必要です。

本人任せでも親や塾主導でもない三者の納得解を、「不親切グラフ」を意識しながら、探していく。

これが成長期のこどもとの適切な関わり方だと思います。