愛知県公立高校入試国語 合格者平均正答率 66% を超えるために①
公立高校入試国語 現代文は二題出題されるのが定番です。以前は一題が小説か随筆、もう一題が論説という構成でしたが、ここ2年は論説中心となりました。
ただ、2018年度のAグループでは随筆が一題出題されています。
随筆といえども、決してさらりと読める文章ではありません。哲学者が「名訳」とは何か?について述べています。
冒頭から
鴎外の「即興詩人」は名訳であって、、と始まり、、
3段落めで、ドイツ語訳はプラトン翻訳が伝統となっており、、逐語訳だけでは理解しにくい、、ときて
4段落めで、これに対してイギリスの伝統的訳し方は、できるだけ読みやすくつくる、と続く。
そして「いい翻訳のための二条件」を模索していく流れとなっている。
5段落めで、音楽の演奏や自然・歴史研究を例に挙げながら、さらに「いい翻訳のための二条件」について考察、主張している。
つまりは「忠実な受動性」と「奔放な能動性」との調和が大切だ、という主張。
簡単に書いてしまえばこれだけ。
しかし、はたしてこれらが対比関係にあることに注意を払えるか? 「一方で、、他方で、、」という言い換えに気付けるか?
そもそも、これらの抽象語の羅列に拒否反応を示さず、最後まで読みきれるか?
そして文章全体にわたり、以下のような表現が当たり前のように使われている。
「逐語訳」「憮然として」「案外の硬さに泣く」「翻訳文化」「およそ〜少なくない」
語彙や文化的素養の不足により、チンプンカンプンのまま設問に取り組むことにもなりかねない。
量的には、昨年より1300字増加 (400字詰原稿用紙3枚以上) 。
また選択肢の一文が長く、4択とはいえ難しい。雰囲気では選べない。それがよくも悪くも、2点配点。内申1にあたるという重要さ。
内申1上げるのがどんなに大変だったかと思うと、この4択問題は魂を込めて選ばなければならない。
「文章を読んだ生徒の感想5つ」から、「筆者の考えに近いものを2つ選ぶ」設問も2点配点。選択肢1つずつが長い。緻密に読まなければ「正解の顔をした良い子の選択肢」にひっかかってしまう。常に本文に沿って忠実に!を忘れないように。
選択肢を選ぶときは、いきなり選択肢を読まないこと! 自分でこうだと予測を立ててから選択肢を見ること!(でないと惑わされてしまう)
そして漢字。みんなが本当によく間違える
「装着」「操縦」「装置」「操作」
今のうちに確認を。簡単だけど、間違えますよ。
最悪、本文の内容が全くわからない場合も十分あり得ます。そんな場合でも、ある程度の正答率まで持っていくことは、回数をこなすことによって可能です。
古文・漢文についても同じことが言えます。
過去問4年分をやりきったら、それ以前のものもやることをお勧めします。これ↓は直前期に品薄になります。事前にお求めになるほうが安心です。↓
古文・漢文についても同じことが言えます。
2題めの論説と漢文については、また後日。