【2022愛知県公立高校一般入試Bグループ社会|講評】

2022愛知県高校入試Bグループ社会の講評、および今後、社会を勉強する際の方向性を示します。
高校受験だけでなく、中学受験の指針にもなるはずです。

Aグループ同様に、例年通り歴史・地理・公民の3分野から、表やグラフ、地図などのさまざまな資料を考察し判断する問題が多く出題された。
一方で、昨年度Bグループで出題された二段階・三段階の思考力を問うような資料問題はみられなかったこともあり、難易度はやや易化したと思われる。
Aグループでは「全て選べ」も含めて完答形式の問題が7問と多く出題され、記述形式の問題が1問と少なかったが、Bグループでは、完答形式の問題が3問と減った一方で、記述形式の問題が4問と例年並みに出題された。
地理分野・公民分野で環境に関する問題が5問と多く出題された。

【歴史分野】
歴史分野は、初見の資料の読み取る能力を試すような問題が出題されず、受験生にとって解きやすかったと思われるが、論述問題は昨年度と比べて難しかった。
時代整序問題が2問出題され、論述問題と2問の時代整序問題がポイントだったと思われる。

【地理分野】
地理分野は、日本地理は面積の大きい都道府県と小さい都道府県、世界地理は南北アメリカから出題されたが、例年と比べて易しく解きやすかった。
Aグループと異なり、世界地理の方が日本地理より配点が大きかった。
日本地理ではヒートアイランド現象、世界地理ではバイオ燃料の原料となるさとうきびなど環境に関する問題が出題された。

【公民分野】
公民分野は、企業と環境問題から出題された。
企業の社会的責任(CSR)の記述問題や間接金融の正誤を判断する問題が出題され、例年と比べて公民分野は難しかった。
この2問と併せて、パリ協定に関する問題がポイントだったと思われる。
なお、Aグループに引き続き、憲法や国会・内閣・裁判所など政治分野からは出題されなかった。

【まとめ】
A・Bグループ共通して、今年度は昨年度みられたような高いレベルの資料問題はみられず、受験生にとっては取り組みやすかったと思われる。
その一方で、例年と比べてより正確な社会の知識力が問われた。
A・Bグループともに3文の正誤を判断する問題が出題されたが、これなどは来年度からのマークシート形式の問題を予見させる。
来年度から記述形式の問題が完全になくなるかは現段階では分からないが、今年度の入試から判断すると、資料を考察し判断する力と併せて、より正確な知識力が求められるようになるだろう。
AグループのSDGsやBグループのパリ協定など現在の社会状況を意識した時事的な環境問題が多く出題された。
これも作成者からのメッセージと受け止め、日頃から環境問題や様々な現代社会の問題に関心をもってほしい。